【12月30日 AFP】内戦下のシリアで、政府が完全掌握していない最後の県である北西部イドリブ(Idlib)とハマ(Hama)県の境界地域で28日から29日にかけて激しい戦闘が発生し、68人が死亡した。

 イドリブ県は、かつて国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)傘下にあったイスラム過激派組織「シリア征服戦線(Jabhat Fateh al-Sham)」を中心とする反体制派が掌握しており、今回の戦闘はシリア政府による大規模な同県奪回作戦の布石である可能性がある。

 ロシア軍の空爆支援を受けた政府軍側の部隊は、イドリブ、ハマ両県の境界地域で、主にイスラム過激派勢力を標的とした作戦を開始。戦闘は28日に激化し、在英のNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、タマナ(Al-Tamana)地域周辺でこれまでに少なくとも68人が死亡した。

 同監視団のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表によれば、死者のうち少なくとも21人が民間人で、ロシア軍の空爆やシリア政府軍が投下したたる爆弾の犠牲となった。

 加えて、シリア政府側の戦闘員27人、シリア征服戦線などのイスラム過激派勢力からなる反体制派の戦闘員20人が死亡。今月25日以降の死者の合計は、民間人が42人、戦闘員が90人となった。(c)AFP/Omar Haj Kadour with Hasan Mohammed in Douma