【12月30日 AFP】エジプト首都カイロ(Cairo)南郊ヘルワン(Helwan)地区で29日、キリスト教の一派コプト(Copt)教の教会を標的にした銃撃事件があり、少なくとも9人が死亡した。イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出した。

 国営テレビ局は保健省報道官の話として、容疑者は射殺されたと報道。銃撃により警官1人を含む9人が死亡、複数が負傷したと伝えた。一方で内務省は、容疑者は過去に複数の警察襲撃事件に関与した疑いで指名手配されていた過激派メンバーで、負傷して身柄を拘束されたとしている。

 内務省によると、容疑者の男はアサルト(攻撃用)ライフル1丁と弾薬150発に加え、教会を爆破するための爆弾を所持していた。男は最初に店舗に向け発砲し2人を殺害後、教会で警官1人を含む7人を射殺したという。

 携帯電話で撮影されソーシャルメディアに投稿された動画では、髭を生やし弾薬ベストを身にまとった男がほぼ意識不明の状態で道路に横たわり、人々に腕を押さえつけられたまま手錠をかけられている姿が捉えられている。

 ISは傘下のプロパガンダ機関アマック(Amaq)を通じ出した声明で、同組織の「兵士たち」が教会襲撃を実行し、10人の「十字軍」と警察官らを殺害したと主張した。

 同国ではIS傘下の武装勢力が過去にもキリスト教会を襲撃して数十人を殺害しており、今後もキリスト教徒を狙った攻撃を継続すると警告していた。(c)AFP/Samer Al-Atrush