【12月29日 AFP】ミャンマーでイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)が迫害を受けているとされる問題で、アイルランドのロックバンド「U2」のボーカル、ボノ(Bono)氏は、ミャンマーのアウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)国家顧問は辞任すべきとの見解を示した。ボノ氏は自宅軟禁下にあった当時のスー・チー氏の支持者として知られていた。

 ボノ氏は、米情報誌ローリング・ストーン(Rolling Stone)最新号に掲載された同誌創刊者のジャン・ウェナー(Jann Wenner)氏とのインタビューで、ロヒンギャをめぐる状況を考えると「吐き気がする」と表明。

「あらゆる証拠が示していることを信じられず、本当に気分が悪くなった。だが、民族浄化は実際に起きている。それを知っている彼女(スー・チー氏)は退陣しなければいけない」と語った。

 また、スー・チー氏は辞任すべきかをあらためて問われると、「最低でも、もっと意見を発信すべきだ。それで人々が聞く耳を持たなければ、辞任すべきだ」と語った。

 一部の専門家らは、仏教徒が多数を占めるミャンマーではロヒンギャに嫌悪感を抱く人が多いことから、スー・チー氏は政治的リスクを取らない判断をしたとみている。また、同氏はいずれにせよ軍を統率する立場にはないとの見方もある。

 ボノ氏はこうした見方について、「彼女は国を軍政に戻したくないのかもしれない。しかし、状況が私たちの見解通りなのであれば、彼女はすでに国を軍に渡している」と述べた。(c)AFP