【12月28日 AFP】ドイツ航空大手ルフトハンザ航空(Lufthansa)の国内線運賃が最近急騰していることについて、同社がその原因はひとえに自動予約ソフトウエアにあると釈明していることを受けて、同国独禁当局の連邦カルテル庁は28日これを一蹴し、企業は「アルゴリズムを隠れみの」にすべきではないと苦言を呈した。

 ドイツでは、ルフトハンザの国内線の一部路線で、かつての競合相手で経営破綻したエア・ベルリン(Air Berlin)が10月末に運航を停止した後に運賃が跳ね上がったという苦情が出ており、同庁が調査を進めている。

 ルフトハンザ側は、運賃の設定方法に変化はなく、エア・ベルリン破綻に伴う需要増に自動予約システムが反応し、結果として以前よりも高い平均運賃が表示されているだけだと主張している。

 一方、連邦カルテル庁のアンドレアス・ムント(Andreas Mundt)長官は、日刊紙南ドイツ新聞(Sueddeutsche Zeitung)の取材に対し、ルフトハンザの主張は「的外れ」と一蹴。「アルゴリズムは天上の神によって書き出されたわけではない」と指摘し、「企業はアルゴリズムを隠れみのにすることはできない」とくぎを刺した。

 地元メディアは航空業界の識者らの話として、ルフトハンザの一部路線で運賃が3割増になったと報じている。

 同社は独占的地位を乱用して増収につなげた事実はないと繰り返し否定しており、人気路線については座席を増設すると明言している。(c)AFP