■暴力や無理な力は必要ない

 約3か月前から犬の訓練に参加しているブヤニ・デュベ君(11)のおじであるシペシフレ・デュベさんは、最近ブヤニ君の態度に大きな変化が見られるようになったと話す。「子どもが暴力事件に巻き込まれる現代の社会において、このプロジェクトは本当に素晴らしい。子どもたちが街角でたばこを吸うようにならずに済んでいるよ」

 ポポメニの若者らにドッグトレーニングが与える心理的影響については、科学的に分析・評価されている訳ではない。それでも、保護者たちから寄せられるポジティブな意見は、ボランティアスタッフやソーシャルワーカーの耳にも届いている。犬の行動を理解することは、若者らが自分らの行動について理解する手助けになっているのだろう。

「ここで若者に教えているのは、動物とのコミュニケーションに暴力や無理な力を使う必要がないということ。そうした考え方は、普段の生活のなかでも他人と接する上で影響を与えていると思う」とオリビエさんは話す。「犬を叩かずに一緒にやっていくことを学べたら、人とも話し合いを通じて協力していくことが必ずできるはず」 (c)AFP/Susan NJANJI