【12月28日 AFP】ベネズエラの報道機関の主要労組である「SNTP」は27日、同国で今年、新聞社やテレビ・ラジオ局など70のメディアが閉鎖に追い込まれた上、記者に対する暴行も増加したと発表した。同組合はニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)政権が報道機関を「封殺」しようとしていると非難している。

 SNTPによると、ここ1年でラジオ局46社、テレビチャンネル3局、新聞およそ20紙が閉鎖され、さらにジャーナリストに対する暴行が498件、逮捕が66件あったという。

 ベネズエラはハイパーインフレに加え、食料・医療品など、慢性的な生活必需品不足に陥っているが、同組合はマドゥロ政権が悪化する経済や社会状況への不満をどんな犠牲を払ってでも抑え込もうとしていると指摘している。

 また、暴行のほとんどは今年4月から6月にかけて行われた反政府デモで発生し、組合によるとデモで死亡した125人のうち約7割は警察か軍隊の手で殺害された。

 一方で2016年は、メディア関係者に対する暴行が26.5%上昇し、報道従事者らに対する侵害行為は360件発生していたという。(c)AFP