【12月28日 AFP】中国の全国人民代表大会(National People's Congress、全人代、国会に相当)常務委員会(Standing Committee)は27日、建設中の本土と香港を結ぶ高速鉄道について、香港の駅の一部に本土の法律を適用する計画を承認した。この計画に対しては香港の自治を損なうとして反発の声が上がっている。

 本土南部の深セン(Shenzhen)や広州(Guangzhou)と香港を結ぶ高速鉄道は来年開通予定。

 しかし香港中心部に設置される新駅の出入境管理施設には本土側の警察や当局者が配置されることになり、中国政府が香港に対する支配力を強めるのではないかという懸念が強まっている。

 この新駅は香港の北側にある本土との境界ではなく、九龍(Kowloon)半島の(南の)湾岸に位置している。

 国営新華社(Xinhua)通信は「全人代常務委員会はこの措置は『一国二制度』の原則、憲法、香港特別行政区基本法に沿ったものだと述べた」と報じている。

 香港の民主派議員は失望を示しており、陳淑荘(Tanya Chan)議員は、この計画は1997年に香港が中国に返還されて以来「最も重大な違反」だと指摘した。

 公民党(Civic Party)の梁家傑(Alan Leong)主席も「全人代常務委員会がこんなにもあからさまに口出しをして、香港に対するその最高権力を主張したのは初めてだ」と批判している。(c)AFP