【12月25日 AFP】イスラエルの治安機関シンベト(Shin Bet)のナダブ・アルガマン(Nadav Argaman)長官は24日、反イスラエルを掲げた襲撃の件数は前年比で減少したものの、米国がエルサレム(Jerusalem)をイスラエルの首都と認定したことで治安情勢はより不安定化したとの見解を示した。

 アルガマン長官は記者会見で、「今年発生したテロの水準は54件で、2016年の108件から減少した」と述べた。事前に阻止した攻撃の件数も増えたという。

 一方、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が今月6日にエルサレムをイスラエルの首都と認定した後、パレスチナ自治区の「ガザ(Gaza)地区とヨルダン川西岸(West Bank)は不安定になった」とアルガマン長官は指摘した。

 長官は、ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)が「パレスチナ自治政府を揺さぶるため、ヨルダン川西岸で攻撃を組織することに全力を注いでいる」と主張。その上で「今後一定の期間、われわれは多くの課題に直面するだろう。パレスチナ当局による(米国の決定に抗議する)呼び掛けや街頭デモもこれに含まれる」と述べた。

 アルガマン長官によると、2017年に未然に防止した爆弾攻撃は400件で、うち13件が自爆攻撃だった。また、爆弾攻撃のうち9件では誘拐も未然に防いだという。このほか、ヨルダン川西岸でハマスの拠点148か所を破壊したとしている。(c)AFP