【1月1日 AFP】数百試合の平凡な試合、数千マイルの移動、練習への押し掛け、親や教師と関係を築く――これが次のワンダーキッドを求めて世界を駆けずり回るサッカースカウトマンの生活だ。

 スカウトの手法は機密事項となっていて、以前はマンチェスター・シティ(Manchester City)のスカウトで、現在はワトフォード(Watford FC)とウディネーゼ(Udinese)のために働いているロマン・ポアロ(Romain Poirot)氏は「多くを語ると品性を欠くことになる」と秘密の漏えいに慎重な構えを示した。

 しかし同氏は、ダイヤの原石を発掘するためにフランス中を駆け回り、飛行機と列車での移動を抜きにしても月に最低5000キロ動いていると話してくれた。

「経験が非常に重要」と話すポアロ氏は「1993年、ポール・ポグバ(Paul Pogba)の世代のときに始めた。彼は16歳の時点ですでに怪物だった。当時は彼と比較し得る選手はいなかった」と話している。

「その目を持っているかどうかに尽きる」と話すポアロ氏は、あらゆるカテゴリーの練習や試合を見ることでスカウトとしての能力を磨いたという。

 カンピオナート・ブラジレイロ(ブラジル全国選手権)1部のバスコ・ダ・ガマ(CR Vasco da Gama)でスカウトを担当するルイス・ランゲル(Luiz Rangel)氏も同じ見解で、スカウトは「即興でできるような仕事ではない」と話す。

「自分を専門家だと思い込んでいる人たちが、トライアルを受けさせるために私たちの元に子どもたちを連れてくる」と、同氏は冗談ぽく話した。