【1月4日 AFP】屋内プールや日差しがたっぷりと降り注ぐテラス、制服を着たスタッフたち──。サウジアラビアの首都リヤドにある五つ星リゾートのようなこの場所は、イスラム過激派たちのリハビリテーション施設だ。

 快適で、刑務所と自由の間にあるようなムハンマド・ビン・ナーイフ王子カウンセリング・アンド・ケア・センター(Mohammed bin Nayef Counselling and Care Centre)は国内で育った過激派へのサウジの対処方針をめぐる論争の焦点になっている施設だ。過激思想には強制ではなくイデオロギー的な癒しが必要だという考えにのっとって運営されている。

 服役を終えた人たちが再び暴力的なジハード(聖戦)に戻らないよう、宗教指導者や心理学者の監督の下、「宗教的カウンセリング」や「イデオロギーのデトックス」を行っているのだという。

 センター長のヤヒヤ・アブマガヤド(Yahya Abu Maghayed)氏は、AFPのジャーナリストをゴルフカートに乗せてヤシの木が立ち並ぶ広いセンターを案内しながら、「彼らの思想や思い違い、イスラム教からの逸脱を正すことが目的だ」と語った。

 建ち並んだ低層の建物が、有罪判決を受けた人たちを迎え入れる。部屋には大型テレビやキングサイズのベッドが備えられ、建物は美しく手入れされた芝生に囲まれている。

 国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)やアフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)といった組織と関係があった人々が白いローブ姿で自由に歩き回っていた。広々としたスポーツジムや宴会場が利用でき、面会に訪れた配偶者のための家具付きのアパートもある。

 アブマガヤド氏は、センターで過ごす人のことを「被収容者」などとは呼ばず「受益者」と呼んでいると説明し、「われわれは、受益者が自分たちは普通の人間で、まだ社会復帰できるチャンスがあるんだと感じるようにしている」と話した。