【12月23日 AFP】イングランドなど代表チームを率いた実績を持ち、現在は中国スーパーリーグ(1部)の江蘇蘇寧(Jiangsu Suning)で指揮を執るファビオ・カペッロ(Fabio Capello)監督は22日、クラブでの仕事に集中しているとして、空席となっているイタリア代表指揮官に就任する可能性を否定した。

 今年6月に江蘇蘇寧と契約を交わした71歳のカペッロ監督は、日刊紙レプブリカ(La Repubblica)に対し、アズーリ(Azzurri、イタリア代表の愛称)の次期監督候補に挙がっていることについて問われると、「いや、就任することはあり得ない。代表指揮官はやめたのだ」とコメント。連絡を受けたかどうかについても、「いずれにせよ、私は中国にいる…」とつけ加えた。

 カペッロ監督は、通算4度のW杯(World Cup)制覇を誇るイタリアが、来年のロシア大会(2018 World Cup)出場を逃したことについて「悲しかった」と話す一方で、これが「イタリアサッカーにとってターニングポイント」になることを確信している。

「何か違うことを始めるには、何年もずっと同じだった物事のリズムを変えることだ。一人だけで決断を下すことはできない。個人ではなくイタリアサッカー界の利益を追求していくために、サッカーを良く知る有能な人材を集め、一丸となって働く必要がある」

 江蘇蘇寧のオーナーで、中国人実業家の張近東(Zhang Jindong、ザン・ジンドン)氏が率いる蘇寧(Suning)グループは、イタリア・セリエAのACミラン(AC Milan)も所有しており、カペッロ監督は低迷するミランとのうわさも取り沙汰されているものの、中国での仕事を続けていく意向を示した。

 カペッロ監督はアジアに戦場を移したことについて、「慎重に考えた末での決断だった」とすると、「優勝が狙えるチームだけを指揮していると、私を批判している人間に対して答えを出したかった」と述べた。(c)AFP