【12月22日 AFP】米科学誌「サイエンス(Science)」は21日、その年最も革新的だった科学研究に贈る賞「ブレークスルー・オブ・ザ・イヤー(Breakthroughs of the Year)」に、2つの中性子星の合体を世界で初めて観測した業績を選定したと発表した。

 8月17日に観測された2つの超高密度の星の衝突は、巨大爆発を起こし、時空間を引き裂いた。同誌は「いくつかの主要な天体物理学モデルを裏付け、多くの重元素の起源を明らかにし、一般相対性理論を今までになく検証した」としている。

 専門家によると、1億3000万光年離れたところで発生したこの爆発は、宇宙に存在する金、プラチナ、ウラン、水銀の約半分を生成した爆発と同様のものだった。

 過去1年間の科学上の飛躍的成果をまとめる同誌恒例のこの賞には他に、インドネシア・スマトラ(Sumatra)島の森林にわずか800匹程度だけが生息するとされるオランウータンの新種「ポンゴ・タパヌリエンシス(Pongo tapanuliensis)」の発見や、1961年にモロッコの洞窟から発掘された頭蓋骨の再調査により、現生人類ホモ・サピエンスの起源がこれまでの定説よりも10万年早い30万年前だったとする発見などが含まれた。(c)AFP/Kerry SHERIDAN