【12月28日 CNS】中国・大連市(Dalian)の交通警察は、横断歩道で歩行者を優先しない自動車の運転手に対し、罰金や減点措置をするだけではなく、横断歩道など指定された場所以外で道路を横断する歩行者に対しても新たな措置を講じる。

 大連市交通警察は、横断歩道前にスナップ写真の撮影設備を増設。横断歩道で歩行者を優先しない自動車の運転手に対し、200元(約3460円)の罰金と3点の減点としている。こうした対策により、自動車が歩行者を優先する風潮は中国でも日常化してきているが、歩行者の指定された場所以外での道路横断、信号無視が非常に突出している。

 統計によると、2017年に大連市で歩行者による信号無視、あるいは道路横断中に発生した交通事故は、事故総数の31.19%を占める。違法な道路横断などによる死亡者数は、交通事故による全死亡者数の30.82%。けがをした人の割合も同様に、交通事故によるけが人全体の27.36%を占める。

 歩行者の交通意識向上のため、大連市交通警察は最近、こうした違反行為を厳しく取り締まる活動を展開している。大連市の33か所の違法多発ポイントに、歩行者の道路横断や信号無視などの違法行為をスナップ撮影する設備も増設した。この設備は、顔認証識別技術により、当事者の交通違法行為を確定させることができる。

 大連市交通警察では、検挙した違反者に対して交通法規のビデオを30分近く見せるなど、交通安全教育を強化している。さらに違反者本人の身分情報や写真を交通違反データベースに記録させ、「大連文明交通信用管理プラットフォーム」へ登録することで、個人の信用情報記録とも連動させる。

 また、違反者は自身の勤務先にも報告し、非勤務者の場合は、本人の住む近隣地区のコミュニティに、さらに住所不定者は家族に報告するなどしている。

 このほか、屋外のLEDモニターを利用して違反行為の映像を映し出すなどの対策を実施している。(c)CNS/JCM/AFPBB News