【1月7日 AFP】ベトナムの首都ハノイを流れる紅河(Red River)沿いでは、少々肌寒い気温をものともせずに尻をむき出しにしたヌーディストたちが集まり、日々運動に励んでいる──。川で泳いだりジョギングをしたり、軍隊式のトレーニングをしたりする彼らは、保守的なこの社会主義国で社会の規範をも脱ぎ捨てている。

 男性たちは川の土手に生えたバナナの木陰で服を脱ぎ、さまざまなアクティビティーに臨む。中には、全裸で泳ぐ人もいればチェスをする人、ヨガの逆立ちのボーズを取る人もいる。それぞれが健康に良いと信じているのだ。

「ここに来ることが大切だ。健康になりたいから。みんなこれにどっぷりとはまっている」と話すグエン・トゥアン・ギアさん(43)は、18年前からこのヌーディストの集まりに参加しているという。

 多くの人は毎日ここへやって来る。この日の気温は18度程で数十人が全裸で泳いでいた。たき火のそばで温かいお茶を飲みながら暖を取る人も少なくない。

 服を脱ぐと開放的な気分になると人々は口をそろえる。共産党の一党独裁体制の下、幼い頃から社会への適合や厳格な規範を教え込まれるベトナムでは、集団から外れる機会はめったにないようだ。

 グエン・ホアン・ズオンさん(23)は、「リラックスできるし、楽しい。ここに来ると落ち着く。運動すると仕事に戻ったときも気分が良くなる」と緑色の軍帽をかぶっただけの姿で語った。(c)AFP/Jenny VAUGHAN