【12月19日 AFP】米プロバスケットボール(NBA)のロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)で通算5度の優勝を成し遂げたコービー・ブライアント(Kobe Bryant)氏の背番号を永久欠番とする式典が18日、家族やマジック・ジョンソン(Magic Johnson)氏ら同球団のレジェンドが出席する中で行われた。

 レイカーズの本拠地ステープルズ・センター(Staples Center)では、昨季王者ゴールデンステイト・ウォリアーズ(Golden State Warriors)戦のハーフタイムに、ブライアント氏がつけていた背番号「8」と「24」が、70年の歴史を誇るチームの偉大なアイコンの仲間入りを果たした。

 現在レイカーズのバスケットボール運営部門の責任者を務めるジョンソン氏は、「私たちがここに集まったのは、パープルとゴールドのユニホームを着用した史上最高の選手を祝福するためだ。彼は私たちの目を惑わせ、たった今目撃したことが信じられないような気分にさせた。もう二度と、コービー・ブライアントのような選手は現れないだろう」と述べた。

 背番号8での最初の10年間で3度、背番号24での後半の10年間で2度のNBA制覇を経験したブライアント氏は、拍手とともに総立ちで自身の名前を大合唱した観客に対し、「今夜は本当にありがとう。この式典は、そこに掲げられた私のユニホームだけのものではない。ずっと前から掲げられていた数々のユニホームのものだ」と語った。

 2015-16シーズンを最後に現役を引退した39歳のブライアント氏は、オールスターゲームに18回選出され、2009年と2010年にはファイナルMVP、2007-08シーズンにはレギュラーシーズンMVPを受賞したほか、2度の得点王と2度の五輪制覇を達成。レイカーズでの20年間で前人未到の活躍をみせ、当たり前のように毎日プレーに打ち込めたのはファンのおかげだったとして、改めて感謝の意を表した。

 毒ヘビの「ブラックマンバ(Black Mamba)」というニックネームにちなみ、「マンバアウト(マンバは去る)」とスピーチを締めくくったブライアント氏は、キャリアのハイライトとして、2006年のトロント・ラプターズ(Toronto Raptors)戦で歴代2位の1試合81得点を挙げた試合についてたたえられた。

 またジョンソン氏は、ブライアント氏が現役最後の試合となったユタ・ジャズ(Utah Jazz)戦で、史上最年長での60得点を記録をして歴史に名を刻んだことについて言及し、「現役最後の試合で、ほかの選手が彼のパフォーマンスを上回ることはできないだろう。60得点なんて、すごすぎる」と語った。

 この日最も感動的だったのは、レイカーズの最高経営責任者(CEO)としてチームの歴史を築いてきたジーニー・バス(Jeanie Buss)氏が、ブライアント氏に贈ったスピーチだった。

「祝福しているのは、あなたが私たちを連れていってくれた20年間の旅です。この2つの背番号が生み出した功績を別々に扱ったとしても、両方とも殿堂入りを果たすはずです。私たちが奮闘を求めると、あなたはそれ以上の真心を尽くしてくれました。あなたは永遠に、この球団の歴史に刻まれていくことでしょう」(c)AFP