【12月19日 AFP】(更新、写真追加)米西部ワシントン州タコマ(Tacoma)近郊で18日早朝、高速鉄道「アムトラック(Amtrak)」の旅客列車が脱線し、一部が高架橋から高速道路に落下した。地元当局によると、これまでに少なくとも3人が死亡した。脱線した列車はこの日が運行初日だった。

 この列車はシアトル・ポートランド間の路線を拡充する高速鉄道の一環として開設された新路線に導入されたもので、ワシントン州のシアトルからオレゴン州ポートランド(Portland)に向かっていた18日午前7時40分(日本時間19日午前0時40分)ごろ、ワシントン州の州都オリンピア(Olympia)とタコマの中間に位置するデュポン(DuPont)で脱線した。

 警察の最新発表によると、列車には乗客77人と乗員7人が乗車していた。

 列車は14車両編成で、そのうち複数の車両が脱線。高架橋下の渋滞する州間高速自動車道に落下した車両もあった。

 現場で撮影された写真には、客車1両がひっくり返った状態で高速道路に落下し、さらに数車両が高架橋からぶら下がっている様子が捉えられている。

 ワシントン州警察のブルック・ボーバ(Brooke Bova)報道官は、全ての車両を捜索した結果、死者数は3人と確認されたと発表したが、現場周辺の病院に搬送された負傷者約100人には重体者が含まれていると警告。犠牲者の数が変わるかどうかは定かではないと述べた。

 その一方で、調査に当たっている米運輸安全委員会(NTSB)は、事故を起こした列車が時速48キロの速度制限が課されたエリアで、時速129キロで走行していたと発表。

 NTSBのベラ・ディンザー(Bella Dinh-Zarr)氏は記者団に対し、この推定速度は後方車両に搭載していたドライブレコーダーから得られた予備情報から算出したもので、列車がそれほど高速で走っていた理由を断定するのは「時期尚早」という見方を示した。(c)AFP