【12月18日 AFP】米政府が米疾病対策センター(CDC)に対し、予算関連文書で「胎児」や「多様性」、「トランスジェンダー」を含む特定の用語を使用しないよう指示したと報じられ、怒りや驚き、撤回を求める声が広がっている。

 米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)は15日、予算文書に関する説明会で政府がCDCの政策アナリストらに使用禁止用語を提示したと伝えた。禁止用語には他にも「科学に基づいた」「証拠に基づいた」「脆弱(ぜいじゃく)」「権利」が含まれていたという。

 米国科学振興協会(AAAS)はツイッター(Twitter)で、「CDCが予算関連文書で使用を禁止された用語には『証拠に基づいた』と『科学に基づいた』が含まれているが、『ばかげた』は使用が許されている」と皮肉った。

 科学と民主主義センター(Center for Science and Democracy)のマイケル・ハルパーン(Michael Halpern)副所長はブログで、「公衆衛生の問題に効果的に取り組むということは、リスクと、誰がリスクに直面しているかについて誠実でオープンであることだ」と投稿した。

「CDCが正当性を失うことを避けるため、フィッツジェラルド(ブレンダ・フィッツジェラルド、Brenda Fitzgerald)長官は、同センターの研究における科学の中心性を強化すべく今こそ声を上げるべきだ」とハルパーン氏は呼び掛けた。

 CDCを管轄する厚生省は高まる反発を受け、特定の用語の使用を禁止したという主張は「全くの誤り」と否定している。(c)AFP