【12月18日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は17日、シリアに残るイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」は来年2月までに壊滅するとの見通しを示した。シリア政府と反体制派による新たな和平協議を来年初頭にも実現させたいとの考えも明らかにした。

 ISはシリアで一時は広範な領域を支配下に置いていたが、首都と称してきた北部の都市ラッカ(Raqa)を10月に失うなど退潮が鮮明。同国内に持つ支配地はわずか数か所となっている。

 マクロン大統領は仏国営テレビ「フランス2(France 2)」とのインタビューで「われわれと有志連合はイラクでのISとの戦争に勝利したばかりだ」と指摘。その上で「来年2月半ばから末までにはシリアでの戦争にも勝つと考えている」と述べた。

 2011年に始まってから34万人以上が死亡したシリア内戦をめぐっては、先週行われた国連(UN)仲介の和平協議が再び頓挫した。

 マクロン大統領は、シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領を「シリア国民の敵」と表現しながらも、アサド大統領や政権代表者との話し合いが必須だと強調。来年初頭にアサド政権側と全ての反体制派勢力側が参加する協議が再開するよう望むと語った。

 マクロン大統領は、米主導のIS掃討戦に加わっている一国としてのフランスの最優先事項はISの「根絶」であり、アサド大統領の追放ではないとする今年6月以降の同国の立場を改めて明確に示した。(c)AFP