【12月18日 AFP】イタリア・セリエAのACミラン(AC Milan)などで活躍した元ブラジル代表のカカ(Kaka)が17日、現役引退を表明した。カカについては11月、中国のクラブへの移籍を検討しているという報道も出ていたが、本人は今後について、ミランで入閣する可能性を示唆している。

 現在35歳のカカは、ブラジル国内グロボ(Rede Globo)のテレビ番組で「サッカー界で別の役割を続けるつもりはあるけれど、プロサッカー選手、アスリートとしてはここまでだ」と話すと、今後については「クラブでの役割、マネジャーやスポーティングディレクターのような、フロントとチームをつなぐ役割を担いたい」とし、ミランから「そうした提案があった」と明かした。

 敬虔(けいけん)なクリスチャンで知られるカカは、自身のツイッター(Twitter)にも「主よ、自分の想像をはるかに上回る道のりでした。感謝いたします。新しい旅に出る用意はできています。キリストの名において、アーメン」と投稿している。

 ブラジルのサンパウロ(Sao Paulo FC)でプロとしての道のりを歩み始めたカカは、そのプレーで欧州の数多くのトップクラブから関心を集め、2003年にミランへ引き抜かれた。

 ミランでは2003-04シーズンにチームのセリエA優勝に貢献すると、2007年には大会得点王となる10ゴールを記録して欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)制覇を達成し、クラブ通算7回目の欧州王者に導いた。同年に年間最優秀選手の証であるバロンドール(Ballon d'Or)を獲得。クリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)とリオネル・メッシ(Lionel Messi)に独占されるようになる前の最後の受賞者が、このカカだった。

 攻撃的MFとしてあふれんばかりの才能を見せたカカは、2009年には当時の世界最高額である6800万ユーロ(当時約92億円)でレアル・マドリード(Real Madrid)へ移籍。2011年には国王杯(Copa del Rey)、その1年後にはリーグ優勝のタイトルを獲得したが、スペインではトップレベルのプレーをコンスタントに見せることができず、13年夏に移籍金ゼロでミランに復帰した。

 ミラン退団後の2014年には、米メジャーリーグサッカー(MLS)に新規参入するオーランド・シティSC(Orlando City Soccer Club)に看板選手として加わることを表明すると、古巣のサンパウロでの半年間のプレーを挟んでオーランド・シティに正式加入。クラブのMLS初ゴールを決め、リーグ最高年俸選手として3年間プレーした後、2017年10月に退団した。

 ブラジル代表としては、通算92試合に出場して29得点を記録したが、母国開催となる2014年のW杯(2014 World Cup)出場の夢はかなわず、2016年に行われたコパ・アメリカ・センテナリオ(Copa America Centenario USA 2016)もけがのため離脱を強いられた。(c)AFP