【12月18日 AFP】(更新)ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の政権移行チームの弁護士が、昨年の米大統領選へのロシア介入疑惑を捜査するロバート・モラー(Robert Mueller)特別検察官が、何万通にも及ぶ電子メールを違法に入手していたと主張している。捜査の信頼性を疑問視する、新たな攻撃と受け止められている。

 米連邦捜査局(FBI)元長官のモラー特別検察官の捜査がトランプ大統領の側近に及ぶにつれ、共和党員らは同検察官の捜査の公平性に疑問を投げ掛け、トランプ氏に対する偏見を捜査するため新たな独立検察官を任命するよう圧力をかけている。

 トランプ陣営のコリー・ラングホファー(Kory Langhofer)弁護士は、米議会の委員会宛の書簡で、一般調達局(GSA)が私的な資料を「違法に提出していた」と主張。その資料には、モラー特別検察官が当時ロシア疑惑捜査の一環で使用した部外秘のやりとりも含まれていたと訴えている。

 GSAは、新大統領が選出されて正式就任するまでの暫定期間に、政権移行を支援する政府の機関。

 政治サイトのポリティコ(Politico)が公表した同書簡のコピーによると、モラー特別検察官の事務所が「GSAから大量の部外秘資料を含む何万通もの電子メールを入手していた」とラングホファー弁護士は指摘。そのような資料には令状の取得が必要となるはずであり、政権移行法(Presidential Transition Act)違反に相当すると訴えている。

 これを受けてモラー特別検察官のピーター・カー(Peter Carr)報道官は、17日に反論した。CNNはカー報道官が、「進行中の刑事捜査の過程で電子メールを入手した際には、アカウント所有者の同意を得ているか、あるいは適正な捜査手続きにのっとっている」と語ったと報じた。

 この新たな動きは、トランプ政権がモラー特別検察官を解任する下準備を進めているという憶測も呼んでいるが、トランプ大統領は17日、モラー氏を解任する意思はあるのかという記者団の問いに「ない」と答えている。(c)AFP