【12月17日 AFP】(写真追加)米カリフォルニア州南部で続く山火事「トーマス(Thomas)」は強い風と乾燥した気候により延焼のおそれが高まったことからサンタバーバラ(Santa Barbara)郡で16日、複数の地域に避難命令が出された。すでにトーマスは信頼できる統計が可能となった1932年以降で3番目に大規模な山火事となっている。

 サンタバーバラの緊急事態管理局は郡内一部地域の住民に対し、ツイッター(Twitter)で避難命令や自主避難勧告を出した。郡のウェブサイトはアクセスが殺到したため現在は閉鎖しているという。

 カリフォルニア州森林保護・防火局(Cal Fire)によると、サンタバーバラ郡では12月4日にトーマスが発生して以来、約10万5000ヘクタールが焼失し建造物1000軒以上が破壊された。被害額は1億ドル(約113億円)を超える。

 同局は、カリフォルニア州北部では週末に風速13~18メートルの強い風が予想されており、いつ、どこで山火事が起きてもおかしくないとフェイスブック(Facebook)で警戒を呼び掛けている。

 カリフォルニア州では今月に入ってから相次いで山火事が発生しているがほとんどは鎮火されており、死者を出した山火事はトーマスだけだ。これまでのところ、州森林保護・防火局の消防技師でサンディエゴ(San Diego)出身のコニー・アイバ―ソン(Cory Iverson)さんがベンチュラ(Ventura)郡でトーマスの消火作業中に死亡したほか、70歳の女性が車での避難中の事故で死亡した。

 カリフォルニア州森林保護・防火局では1932年以降に州内で発生した山火事の上位20件をリストアップしているが、トーマスは3位にランクインしておりトーマスの規模の大きさが分かる。1932年よりも前の山火事の記録は信頼性の点で劣るとしてリストから除外している。(c)AFP