【12月17日 AFP】17クラブW杯(2017 FIFA Club World Cup)で決勝点を記録し、新たな歴史を築いたクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)が16日、所属するスペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)でキャリアを終える意向を示した。グレミオ(Gremio)との決勝で唯一のゴールを決めたロナウドは、自身通算4度目となるクラブ世界一に輝き、大会通算得点数を7に伸ばして歴代トップに立った。

 約1年前にレアルとの契約を2021年まで延長している32歳のロナウドだが、6月の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2016-17)制覇後、スペイン当局から起訴された税金問題でクラブの対応に不満があるとして、退団の可能性が持ち上がっていた。2011年から2014年にかけて1470万ユーロ(約19億円)を脱税した罪で起訴されたロナウドは、証言のために7月に出廷している。

 レアルで選手生活を終えるプランについて、ロナウドは「心からそうしたいと思っているが、それは自分だけで決められることではない。僕にできるのはピッチ上でのことだけだ」とすると、「クラブは僕だけのものではない。僕の仕事はピッチの上にある。そういう意味ではよくやれていると思うが、他の部分は自分にコントロールできることではない」と語った。

 ロナウドが新たな契約に値するかと問われたレアルのジネディーヌ・ジダン(Zinedine Zidane)監督は、「それは当然だ。われわれはクリスティアーノがここにいることを基本としている。彼はこのクラブにいて、家もここにある。誰も彼をつなぎとどめることはできないが、引退するまでここにいてくれることを願っている」と答えた。

 2009年にイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)から加入後、レアルのクラブ記録を次々と更新しているロナウドは、出場414試合で434点を決めて歴代最多得点記録を更新している。

 ロナウドは今月、FCバルセロナ(FC Barcelona)のリオネル・メッシ(Lionel Messi)に並ぶ通算5度目のバロンドール(Ballon d'Or)を受賞しており、レアルのフロレンティノ・ペレス(Florentino Perez)会長は、かつてクラブを5度欧州の頂点に導いたアルフレッド・ディ・ステファノ(Alfredo Di Stefano)氏の後継者だとしてロナウドをたたえた。

「彼はベストだ。疑いようがない。才能やテクニックだけではなく、熱意、努力、リーダーシップも素晴らしい。クリスティアーノのような選手を見つけることは困難だ」

「子どもの頃にアルフレッド・ディ・ステファノを見ていたが、ロナウドは彼の後継者だ。当時とは異なるが、クリスティアーノは一つの時代を築いた」

 5度目のバロンドール受賞後に歴代最高の選手であることを自負したロナウドは、ディ・ステファノ氏との比較に関する質問にも臆することなく答えた。

「自分自身についてコンスタントに話す必要はない。2週間前のバロンドール受賞式で話したことがすべてさ。僕は自信家で数字はうそをつかない。数字がすべてを物語っている」

「今はとても満足している。チームとしても個人としても勝ち続けるための強いモチベーションを維持できている。今でも選手としての軌跡を描き続ける強い気持ちがあるし、タイトルに飢えている」(c)AFP