【12月16日 AFP】レックス・ティラーソン(Rex Tillerson)米国務長官は15日、北朝鮮は対話の前に脅迫的な行動を中止しなければならないと述べ、北朝鮮の核武装解除について米国は「前提条件なし」に対話を始める用意があるとの先の発言を事実上撤回した。

 国連安全保障理事会(UN Security Council)の閣僚級会合に出席したティラーソン氏は「対話を始める前に北朝鮮が脅迫的な行動を持続的に中止しなければならない」と述べた。ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領のホワイトハウス(White House)からより強硬な立場を取るよう圧力が掛けられたものとみられる。

 ティラーソン氏は今週、米首都ワシントンで開かれた政策フォーラムで、北朝鮮の核武装解除について米国が対話の機会を求めていることを強調し、「前提条件なし」に対話を始める用意があると初めて表明していた。

 安保理閣僚級会合でティラーソン氏は「わが国は北朝鮮との戦争を求めてもいなければ、望んでもいない」と繰り返した。「米国は北朝鮮の武力攻撃から自国を守るために必要なあらゆる措置を取っていくが、外交による解決の望みも捨ててはいない」

 演説草稿によるとティラーソン氏は「前提条件なし」に対話を始める用意があると繰り返し表明する予定だったが、その部分は読み上げられなかった。

 日本が議長国を務めた今回の安保理会合には、北朝鮮の慈成男(チャ・ソンナム、Ja Song Nam)国連大使も珍しく出席した。慈国連大使は、米国は「わが国の驚くべき力に恐れをなしている」と述べたほか、核兵器は自衛のために必要だとする北朝鮮の見解を改めて表明した。(c)AFP/Carole LANDRY