【12月16日 AFP】男子テニスのアリャス・ベデネ(Aljaz Bedene、英国)が15日、出身国のスロベニア代表として男子テニス国別対抗戦、デビスカップ(Davis Cup)と五輪を目指すと表明した。2015年3月に英国市民となり、現在ロンドン在住のベデネは、ATPランキングでアンディ・マレー(Andy Murray)に続き、英国人としては2番目に高い世界49位につけているが、デビスカップでは英国代表としての資格を得られなかった。

 28歳のベデネは自身のフェイスブック(Facebook)に、「2018年1月から出身国であるスロベニアを代表する意思を、国際テニス連盟(ITF)に伝えたことを皆さんにお知らせする。今後のキャリアで自分の主な目標の一つは、2020年の東京五輪でプレーすることだ。この9年間は英国が母国であることを誇りにしてきたし、ここにいるたくさんの人たちがUKでも海外でも自分を歓迎してくれている実感があった」と投稿した。

「デビスカップの英国代表になるための闘いで協力してくれた英国庭球協会(LTA)には、特に感謝している。自分にたくさんのことを与えてくれた国のために、デビスカップでプレーすることは自分の夢だった」

 今年3月、英国国籍に変更する前にスロベニア代表として3試合に出場していたことを理由に、ITFに申請していたデビスカップの出場資格を却下されていたベデネは、「キャリアの現段階において、デビスカップや五輪で戦う機会を逃すことは望んでいない。この2つの大会は、自分にとって本当に大きな意味があり、それが今回の決断につながった」と説明した。

 ベデネが英国国籍に変更した際には、同選手の資格を確保するために「なりふり構わぬ」支援を行ったLTAに対して、ダニエル・エヴァンス(Daniel Evans、英国)が批判の声を上げるなど、ほかの選手からはあまり歓迎されていなかった。

 コカインに陽性反応を示して現在出場停止処分を科されているエヴァンスは、今年5月にBBCのインタビューで、「(ベデネ自身も)自分が英国人だと実感しているとは思えない。彼のことは好きだし挑発的な人間だとは思っていないけれど、自分としては別の国でプレーするのはあまりしっくりこないんだ。彼に対して悪意は持っていないけれど、理由が少しばかり釈然としない気がする」とコメントしていた。(c)AFP