【12月17日 CNS】南米生まれのオオアリクイ4頭が4日、中国・河南省(Henan)にある鄭州動物園(Zhengzhou Zoo)にデビューした。24時間暖房が効いた部屋に住み、飼育員が心を込めて作った食事をたん能する。鄭州の新しい家で、「VIP並み」のもてなしを受けている。

 オオアリクイは、オスとメスが2頭ずつで、平均年齢は2歳。南米スリナムからやってきた。オオアリクイのために改築された専用舎に入ると、暖房で心地よい暖かさだ。オオアリクイはそれぞれ自分たちの個室にいて、長い口を容器に伸ばして悠然と食事中だった。暖房のほか、空調や加湿器が稼働し、室温は28度、湿度は55度に保たれ、野生のオオアリクイの生活環境に近づけられている。

 鄭州動物園の専門職員である田澍遼(Tian Shuliao)氏は、「オオアリクイは、熱帯雨林で沼地の多い場所に生息し、温暖で湿り気のある場所を好む。動物園では、鄭州の生活に順応してもらうため、部屋に暖房装置などを取り付け、さらに入浴や水遊びのできる小さな池も作った」と説明する。

 野生のオオアリクイの主食は、もちろんアリ。長い舌で1日3万匹ものアリを食べる。

 田氏によると、動物園はアリクイのために特別な代替食品を準備したという。「アリは欠かせないが、さらに牛肉やキャットフード、果物、ヨーグルト、卵などを一定の比率で配合してミキサーにかけ、ペースト状にしたものを栄養食にしている。オオアリクイには歯がないので、舌を使いペースト状の食物をなめることしかできない」という。ちなみに、お気に入りはイチゴ味のヨーグルト飲料だそうだ。

 オオアリクイの数は近年、原産地である米大陸でも徐々に減少しており、国際的な絶滅危惧動物に属している。鄭州動物園は、中国内でも数少ないオオアリクイのいる動物園になった。

 田氏は、「ぜひオオアリクイを見にきてほしい。生存環境など、より関心をもってもらえると思う。動物や動物の生存環境を保護することを理解してもらいたいし、結果的には我々自身の故郷や家庭を守ることにもなる」と語った。(c)CNS/JCM/AFPBB News