【12月15日 AFP】ドーピング違反で名誉を失墜した元自転車ロードレーサーのランス・アームストロング(Lance Armstrong)氏が、石畳のクラシックレースとして知られる来年のツール・デ・フランドル(Tour des Flandres 2018)にゲストとして出席する。大会主催者が14日に発表した。

 現在46歳のアームストロング氏は、1999年から2005年にかけてツール・ド・フランス(Tour de France)で前人未到の7連覇を達成しながら、それがドーピング違反によるものだったとしてすべてのタイトルを剥奪され、自転車競技界の信頼を大きく汚した。しかし、格式の高い「モニュメント」レースの一つであるツール・デ・フランドルの主催者は、同氏をゲストとして招くほか、レース前に行われるイベントにおいて基調スピーチも依頼し、議論を巻き起こしている。

 大会主催者は「ランス・アームストロング氏は、お気に入りのワンデーレースであるフランドルを訪れて、自身のエピソードや経験を語ることを喜んでいる。彼にとって、これは自転車競技界への復帰であり、こちらとしても大歓迎だ!」とコメントした。

「ランス・アームストロングは、現在でも偉大な王者だ。今までずっと感じてきたことだが、彼は自分の傲慢(ごうまん)な行いによって大きな罰を受けた。昨年10月に米ワシントンD.C.で会ったとき、彼は慎ましい態度で自分の運命と折り合いをつけていた」

 アームストロング氏が自転車競技界に戻ってくる可能性があることについて、国際自転車競技連合(UCI)はAFPの取材に対して、コメントを控えている。

 ドーピング違反が発覚して2012年に米反ドーピング機関(USADA)から永久追放処分となって以降、自転車競技界から遠ざかっていたアームストロング氏は、長い間ドーピングを否定していたものの、2013年に米女性司会者オプラ・ウィンフリー(Oprah Winfrey)氏のトーク番組で公に疑惑を認めた。

 今年のツール・ド・フランスでは、ポッドキャストの番組「ステージズ(Stages)」でレース展開を予想して注目を浴びたアームストロング氏だったが、テレビ放送を見たあとに自分が第三者として解説することさえも、永遠に否定的な人間はいるだろうと認めており、7月には自転車専門誌に対して、「それに反発するつもりはない。自分としては前進するとしか言えない。『申し訳ない。それは理解できるが、私は前に進む』とね」とコメントしていた。(c)AFP