【12月15日 AFP】シリアで米主導の有志連合が設定した管轄空域に13日、ロシア軍のスホイ25(SU-25)攻撃機2機が進入し、米軍のステルス戦闘機「F22ラプター(Raptor)」2機が対応に当たった。米国防総省が14日、明らかにした。

 現場はシリア東部アブカマル(Albu Kamal)付近のユーフラテス川(Euphrates River)東岸で、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の掃討作戦で有志連合が制空権を掌握している空域。

 米国防総省のエリック・ペイホン(Eric Pahon)報道官によると、F22はスホイ2機に問題の空域から離脱するよう無線で複数回にわたって警告。両軍機が非常に接近し、F22がチャフとフレアを発射する場面もあり、米軍のパイロット1人は空中衝突を避けるため強引な回避行動を余儀なくされたという。

 両軍機の対峙(たいじ)は約40分間続いたが、最終的にロシア軍機はユーフラテス川西岸に飛び去った。この間、有志連合側はホットラインでロシア側に接触して状況の沈静化と「戦略上の誤算」の回避に努めたという。

 米国防総省によると、米ロ両政府は11月、有志連合がユーフラテス川の東岸を、ロシア軍が西岸を管理することを口頭で合意した。しかし、ペイホン報道官によればロシア機はその後も1日に6~8回は東岸上空に進入する行為を繰り返しているという。(c)AFP