【12月14日 AFP】韓国・ソウルで14日、脱北者の女性が国連(UN)の記者会見に乱入し、北朝鮮への帰国を認めるよう涙ながらに訴える一幕があった。

 裁縫師として働くキム・リョンヒ(Kim Ryon-Hui)さんは7年前に韓国に入国。しかしその後は家族の元へ帰ろうとパスポートを偽造したり、国外追放されるべく自分はスパイだと偽証したりして、一時は収監されたこともあった。

 キムさんは北朝鮮の人権問題を担当する国連のトマス・オヘア・キンタナ(Tomas Ojea Quintana)特別報告者による記者会見の場に現れ、記者団に対し「私は北朝鮮の平壌の市民だ」「強制的に南で7年間も拘束されている」と訴えた。

 またキムさんは韓国政府が年老いた両親や娘の元に帰ることを妨害し、自身の人権を侵害していると非難した。

 キムさんは「母親というものは一時たりとも娘から離れられないのに、7年というのはあまりにも苦痛だ」と声を震わせながら語り、自殺を図ったこともあると述べた。

 ほとんどの脱北者は韓国到着から6か月後、韓国のパスポートが発給される。だがキムさんはいまだ受け取っておらず、韓国の情報当局者が「北に逃亡するかもしれない」と発言したと話している。(c)AFP