■セラピーと人権

 マレアにある2階建ての施設は、10月27日に開設された。

 自発的に入所した人たちもいるが、ISに参加した罪で反体制派当局から科された刑罰の一環としてセラピーを受けている人たちもいる。

 入所者たちは3つのカテゴリーに分類されている。短期のIS戦闘員、何度も戦闘に参加したか長期にわたって戦闘員だった人たち、そしてチュニジア人やウズベキスタン人などの外国人戦闘員だ。

 リハビリは最長で半年間行われ、更新される可能性もあるという。

 リハビリ施設を運営する管理者や医師、活動家たちは、反体制派当局と緊密に連携しており、リハビリの進展状況は、入所者の社会復帰が可能かどうかを判断する司法当局に提出されるという。

 イラク北部で調理師をしていたハワス・アリ(Hawas al-Ali)さん(26)は、2016年に仕事を辞めてシリア東部に渡った。「自分がIS戦闘員になるとは思ってもいなかった」という。

 ISの戦闘部隊を支援する部隊に所属していたというアリさんは、「私の目的はイスラムの勝利だった。でもしばらくすると、市民生活や社会、親族や子どもたちの元に戻ることを考えるようになった」と語った。

 アリさんは自ら施設に入り、今は、「ダーイシュ(Daesh、ISのアラビア語名の略称)が現れる前」の生活に戻れる日を待ち焦がれているという。

 だがイスラム教徒の外国人にとって、故郷に戻ることはさらに困難だ。

 ウクライナ人のガジメトフ(Gadzhimetov)さんは2016年、ISに参加するためトルコからシリアに入国した。

 だがISが他のイスラム教徒らに対して残忍な行為を働いていることを知り、離脱することを決意したという。ガジメトフさんは、「私はそれについて罪の意識を感じます」と語った。(c)AFP/Nazir Khatib