【12月13日 AFP】バングラデシュは12日、ジフテリア感染の疑いでイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)の難民9人が死亡し、他にも700人以上が感染したことを受け、ロヒンギャの子どもたちを対象とした大規模なジフテリアの予防接種キャンペーンを開始した。

 バングラデシュの保健当局は、同国南東部のロヒンギャ難民キャンプにおけるジフテリアの流行に不意を突かれたと語った。

 南東部の難民キャンプには、ここ数か月間にミャンマーから逃れてきたロヒンギャの人々64万6000人以上が生活している。

 バングラデシュの疫学・疾病対策研究所(IEDCR)のミーザディ・サブリナ・フローラ(Meerzady Sabrina Flora)所長は「これまでにジフテリアの流行が疑われる状況下で9人が死亡した」と述べた。

 また、バングラデシュの保健当局によると、ロヒンギャ難民700人がジフテリアに感染しており、この24時間では104人が感染し、そのほとんどは子どもたちだと発表した。

 当局は過密状態にある難民キャンプに2か所の隔離施設を設けたが、難民キャンプでは仮設シェルターや食料が不足している他、医療もほとんど行き届いていない。

 ジフテリアは伝染性の呼吸器系疾患で、治療せずに放置すると死に至る恐れもある。しかしワクチンの普及によりここ数十年間はあまりみられなくなった。(c)AFP