【12月13日 AFP】米プロバスケットボール協会(NBA)の元スター選手、デニス・ロッドマン(Dennis Rodman)氏(56)は、米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の両者を「友人」と呼ぶ、おそらく世界で唯一の人物だろう──。

 金委員長とウオッカをがぶ飲みし、トランプ大統領とかつてテレビで共演したこともあるシカゴ・ブルズ(Chicago Bulls)の元選手であるロッドマン氏は12日、中国・北京でAFPの取材に応じ、予測不可能な2人の指導者は「似た者同士」であると述べた。

 ロッドマン氏は2人の指導者について「主導権を好む」と語る。また、核の危機に関する脅しは害のない「エンターテインメント」だとしながら、「誰も(核の)ボタンに指なんか置いてない」と続けた。

 米朝間の緊張が高まるなか、両国間の仲を取り持ち手助けをする「国際的な仲裁者」と自称するロッドマン氏。東京と米領グアムを訪れた後、11日に中国に到着した。今回は、米国の渡航禁止措置により訪朝に関しては足止めを食らってしまったが、来年の早い時期には訪朝したい考えを明らかにし、現在「特別許可」が出ないか模索している最中だとした。同氏は、これまでに5回北朝鮮を訪問している。

■ダイナミクスの変化

 ロッドマン氏は、米朝間での意思疎通の面で、あるい程度の圧力は緩和できると考えている。

 2013年と2014年の訪朝の際、ロッドマン氏は米国の大統領に向けた3つの伝言を金委員長から託されたと話し、「米国に戻って伝えてくれ」と頼まれたことを明らかにした。

 何年もの間、このことは秘密にされていた。金委員長から仲介者は危険な立場に置かれる可能性があると言われたのがその理由だという。託されたのは「非常に道理にかなった」要望だったという。

 しかし伝言が託されたのは、トランプ大統領が誕生する前のことだ。「私と(金委員長と)トランプ氏の間のダイナミクスは、これまでと全く違っている」とロッドマン氏は語る。「(トランプ氏に)3つの伝言があると話したら、『ふざけるな!』と言われたよ」