【12月13日 AFP】ボクシングの元ヘビー級王者で、物議を醸す発言や行動で知られるタイソン・フューリー(Tyson Fury、英国)に復帰への道が開けた。フューリーは「悪夢のような2年間」を過去のものにし、世界チャンピオンの座を取り戻すと誓っている。

 薬物検査で禁止薬物のナンドロロン(nandrolone)が検出されていたフューリーは、英国反ドーピング機関(UKAD)との妥協案に応じ、2015年12月までさかのぼって2年間の出場停止処分を受け入れた。その処分が今回明けたことで、フューリーはライセンスが取れ次第、すぐにでもファイトに臨むことが可能になっている。

 ウラディミール・クリチコ(Wladimir Klitschko、ウクライナ)氏から金星を挙げ、WBA・WBOおよびIBFの世界ヘビー級王座を奪取した2015年11月の試合を最後に、実戦から遠ざかっているフューリーだが、本人はリングへ戻る日が楽しみだと話している。

「俺は根っからのファイターだ。誰かに倒されたことは人生で一度もないし、もちろん今回の問題でも、負けるつもりは一切なかった」

「(同じく薬物検査で陽性になったいとこの)ヒューイ(Hughie Fury、英国)も俺も、最初から潔白を訴えていたし、UKADとの問題にようやく片がついてうれしいよ。もうドーピング野郎のレッテルを貼られることもないし、前へ進んでいける」

「この悪夢のような2年間をやっと過去のことにできる…。来年は自分の一番得意なことに戻るよ。誰よりも得意なことにね。そして世界チャンピオンの座を取り戻す。あのタイトルは俺にこそふさわしい」

 フューリーは早速、10月にカルロス・タカム(Carlos Takam、カメルーン)を退けてWBA・IBFの王座を防衛した、同じ英国出身の王者アンソニー・ジョシュア(Anthony Joshua)にツイッター(Twitter)で挑戦状を突きつけている。「おいジョシュア、どこにいやがるこのガキ。待ってろよ、この野郎。もう誰も俺を止められねえ!」

 ジョシュアのプロモーターを務めるエディー・ハーン(Eddie Hearn)氏は以前、フューリーとの英国勢対決を2018年中には見たいと話していた。(c)AFP/John WEAVER