【12月13日 AFP】夏を迎えている南半球のオーストラリアでは今年、多くのビーチでサメ探知用ドローンが投入されている。サメを迅速に見つけ、ライフセーバーよりもすばやくサーファーなどに救命具を届けるためだ。

 シドニー(Sydney)の北にあるビルゴラ(Bilgola)ビーチでは最近、早朝から水泳大会が開催されたが、海の安全を確保するためドローンが使用された。

 出場者のアリ・スミス(Ali Smith)さん(20)はAFPに対し「テクノロジーと海水浴が一緒になっているのはクールだ。もっと大勢の人たちが安全を体感して海に出てくるようになるといいね」と語った。

 ドローンが撮影した多数の写真を使ってさまざまな海の物体が識別可能な人工知能(AI)が開発されている。サメのような海の生き物を見分ける精度は、肉眼が約16%程度なのに対し、このソフトウェアを利用すれば90%まで向上するという。

 ソフトウェア設計者でシドニー工科大学(UTS)のナビン・シャーマ(Nabin Sharma)氏は「われわれはサメやクジラ、イルカ、サーファーなどの対象物を識別することができる」と述べた。

 また「サメを識別し、即座に遊泳客やサーファーに警告を出せる」「要するに、ビーチでの娯楽をより安全にしようとしているということだ」と語った。

 UTSはこの技術をオーストラリア北部のワニ対策にも利用している。(c)AFP