【12月12日 AFP】韓国で、100米ドル(約1万1000円)の極めて精巧な偽札、いわゆる「スーパーノート」が見つかった。銀行当局が12日、明らかにした。制裁を受けている北朝鮮が、偽札の製造を再開した可能性があるとの臆測も広がっている。

 KEBハナ銀行(KEB Hana Bank)の偽造通貨の専門家らが先月、首都ソウルの支店で見つかった100米ドル札を偽物と確認。本物の紙幣と見分けるのはほぼ不可能だったという。

 同銀の偽造対策センターを率いるイ・ホジュン(Yi Ho-Joong)氏はAFPに対し、「世界で初めて見つかった新種のスーパーノートだった」と明かした。

 イ氏は、「この品質の偽札を製造するには、1億ドル(約110億円)規模の設備が必要になり、偽ドル札を造るのにそこまでの巨費を投じる犯罪集団はない。そのような設備が持てるのは国家レベルの組織しかない」と指摘している。

 韓国メディアは、北朝鮮の核・ミサイル開発に対する国際社会の制裁強化をかいくぐるため、北朝鮮が偽札の製造を再開した可能性があるとの見方を伝えている。

 ただイ氏は、精巧な偽札を所持していた北朝鮮の外交官らが摘発された前例があるとはいえ、今回新たに見つかったスーパーノートと北朝鮮を結び付ける証拠はないと話している。(c)AFP