【12月12日 AFP】米大リーグ(MLB)、2017年のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に輝いたジャンカルロ・スタントン(Giancarlo Stanton)は11日、自身が常に憧れていたという名門ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)への大型移籍が正式に完了した。

 米ロサンゼルス出身で28歳のスタントンは、サンフランシスコ・ジャイアンツ(San Francisco Giants)やロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)など、獲得に乗り出していた複数チームとの交渉が取り沙汰されていたが、元所属チームのマイアミ・マーリンズ(Miami Marlins)に対して移籍の意思を明確に示して以降、ヤンキースは常に移籍先候補の「トップ」だったと明かした。

 ヤンキースは王者ヒューストン・アストロズ(Houston Astros)に敗れて今季のワールドシリーズ進出は惜しくも逃したものの、スタントンは同球団がポストシーズンで見せた躍進には感銘を受けていたとした上で、「遠くから見ていて、ヤンキースの若さ、ダイナミックな戦力、団結力を感じた。その雰囲気や、抜群の名声。そこに行きたくないという理由はなかった」と記者会見でコメントした。

「ダイナミックなチームだ。どこからでも打てるし、とてもバランスが取れていて、ハングリー精神もある。今年は惜しかったけれど、自分の加入によってチームが強くなっていくことを願っているよ。みんなでパフォーマンスを示し、自分もチームが成長する力になりたい」

 2017年シーズンに本塁打59本をマークしているスタントンは、ア・リーグ新人王で同52本のアーロン・ジャッジ(Aaron Judge)と強力打線を形成することになる。これにより、ヤンキースが50ホーマーを記録した2人の選手を抱えるのは、MLB史上2度目のことになる。同球団は1961年シーズンにも、ロジャー・マリス(Roger Maris)氏が本塁打61本、ミッキー・マントル(Mickey Mantle)氏が同54本を放った。

 ヤンキースへの移籍話が動いたこの週末にかけて、スタントンはすでにジャッジと話をしたと明かし、「お互いのプレーをリスペクトしている。(オールスターゲームの)本塁打競争は楽しかった」、「数日前に話したが、一緒にプレーすることにわくわくしているよ。お互いに学んで成長していきたい」と語った。

 一方のジャッジも同様に、すでに圧倒的な強力打線を誇るヤンキースにスタントンがもたらす影響に興奮しており、球団所有のテレビ局「YESネットワーク(YES Network)」に対し、「ベースボールには申し訳ない気分だ」とすると、「ダイナミックな打線になる。タフで、僕ら全員を打ち取るのは厳しいだろう。相手は逃げ出したくなるかもしれない」と語った。(c)AFP