【12月12日 AFP】(写真追加)米ニューヨークで11日に発生した爆発は、男が自身の体に装着したパイプ爆弾を起爆させたものだったことが分かった。現場は朝のラッシュ時で混雑した地下鉄通路で、3人が負傷。同市では1か月半前にもトラックによる襲撃事件が発生し死傷者が出たばかりで、現地では再び緊張が高まっている。

 ビル・デブラシオ(Bill de Blasio)市長は今回の事件を「テロ未遂」と断じ、犯人の身元をアカエド・ウラー(Akayed Ullah)容疑者(27)と特定したと発表した。身柄を拘束されたウラー容疑者は、体の複数か所にやけどや傷を負っており、病院に搬送された。

 爆発が起きたのは、ポートオーソリティー(Port Authority)バスターミナルにある地下鉄駅構内。観光名所タイムズスクエア(Times Square)にも近く、通勤客らはパニックに陥り、交通に乱れが出た。

 2001年9月11日の同時多発攻撃に加え、今年10月31日にもトラックが自転車道に突っ込み8人が死亡する事件が起きたニューヨークには、今回の爆発で改めて戦慄(せんりつ)が走った。

 ニューヨーク市警(NYPD)のジェームズ・オニール(James O'Neill)本部長によると、ウラー容疑者は「低技術の即席爆発装置(IED)」を体に巻き付けていた。容疑者は両手と腹部にやけどを負っており、他3人の負傷者は、耳鳴りや頭痛などの軽症を訴えている。

 かつてNYPD本部長を務めたビル・ブラットン(Bill Bratton)氏はケーブルテレビ局MSNBCに対し、同容疑者はバングラデシュ出身で、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の名の下に犯行に及んだ可能性があるという情報もあると明かした。(c)AFP/Catherine TRIOMPHE