【12月12日 AFP】(更新)米IT大手アップル(Apple)は11日、楽曲認識アプリ「Shazam(シャザム)」を買収すると発表した。競争が激化する音楽ストリーミング配信業界での優位性確保が狙い。

 アップルは声明で「Apple Music(アップルミュージック)とShazamはともに音楽を見いだすこと、そしてユーザーに素晴らしい音楽体験を提供することに対する情熱を持っており、相性はぴったりだ」と発表。

 買収金額は明らかにされていないが、ITニュースサイトの「リコード(Recode)」と「テッククランチ(TechCrunch)」は4億ドル(約450億円)前後と報じている。

 シャザムの設立はオンライン音楽の黎明(れいめい)期にあたる1999年。曲名が分からない楽曲を認識してそのタイトルを表示するサービスで、音楽リスナーの長年の苦悩を解消してきた。同アプリを使うと、ボタン操作1つでラジオやパーティ、BGMで流れている音楽の曲名を判別できる。

 シャザムによると、同アプリのスマートフォン上でのダウンロード数は昨年10億回に達したが、同社はこの技術の収益化に苦戦していた。

 数十年前に「iTunes(アイチューンズ)」でオンライン音楽に革命をもたらしたアップルは、音楽市場のストリーミング配信への移行に合わせ、2015年にオンデマンドで無制限に音楽を配信するApple Musicを開始。

 アップルによるとApple Musicの会員数は9月時点で3000万人超と急速に増加しているものの、まだ世界最大手の音楽ストリーミングサービス「スポティファイ(Spotify)」の半分ほどにとどまっている。(c)AFP