【12月11日 AFP】インドネシア当局は11日、国内でジフテリアによる死者数が数十人に達している事態を受け、感染拡大防止のため国内の児童約800万人が今週、ワクチン接種を受けることを明らかにした。

 ジフテリアは細菌感染により発症する伝染病。発症すると呼吸困難、心不全、体のまひを引き起こす可能性があり、治療を受けない場合には死に至る恐れもある。

 世界保健機関(WHO)によると、インドネシアでのジフテリアの流行は比較的まれなものの、2011~15年に報告された症例数はインドに次いで2番目に多かったと報告されているという。

 インドネシアでは今年、20州の95地域で600人近い感染例が見つかり、32人が死亡した。

 当局によると、ワクチン接種プログラムは11日から首都ジャカルタを含む最も人口の多い3州を皮切りに開始され、来月まで続く可能性があるという。

 インドネシア保健省は感染例が増加した理由について、市民への啓発が十分ではないことに加えて、国内における反ワクチン運動の高まりが挙げられると指摘している。(c)AFP