【12月11日 AFP】(更新)ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認定したことを受けて、世界中に非難の声が広がり、パレスチナ自治区で不穏な状況が続く中、10日にも中東をはじめとする各地で新たな抗議行動が繰り広げられた。

 トランプ大統領の決断がもたらす影響について警告を繰り返してきたトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は、イスラエルについても「子どもたちを殺害するテロ国家」と呼んで非難した。

 一方、フランスの首都パリを訪問中のイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領との共同記者会見の場で、エルドアン大統領こそ「クルド人自治区の住民らを爆撃」して「テロリストらを助ける」指導者だと批判した。

 さらにネタニヤフ首相は、エルサレムは「以前からわれわれの首都だった。パレスチナ人がこの現実に早く向き合えば、それだけ早く和平に向かって進めると思う」と述べ、パレスチナ人はエルサレムの長いユダヤの歴史を受け入れる必要があるという見方を示した。

 トランプ大統領の6日の発表以降、パレスチナ自治区では抗議と衝突が続いている。この衝突に加え、ガザ地区(Gaza Strip)から発射されたロケット弾への報復措置として行われたイスラエル軍による空爆で、これまでにパレスチナ人4人が死亡した。

 10日にはエルサレムの中央バスターミナルで、パレスチナ人がイスラエル人警備員を刃物で刺し、重傷を負わせる事件も発生。襲撃犯は身柄を拘束された。

 ヨルダン、トルコ、パキスタン、マレーシアなど、イスラム教国やアラブ諸国では数万人が抗議デモに参加した。またパレスチナ自治区をはじめ、レバノン、インドネシア、エジプト、モロッコなどの国では抗議行動がさらに広がった。

 レバノンの米大使館付近では、集まったデモ隊数百人に対し治安部隊が催涙弾や放水砲を浴びせた。(c)AFP/Mike Smith