【12月10日 AFP】米ミシシッピ州ジャクソン(Jackson)で9日、南部の保守的な地域「ディープサウス(Deep South)」で白人至上主義の犠牲になった人々に焦点を当てた博物館が開館した。ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は記念行事で、人種的憎悪に終止符を打つよう呼び掛けたものの、黒人指導者の一部には行事をボイコットする動きがみられた。

 開館したのは「ミシシッピ公民権博物館(Mississippi Civil Rights Museum)」と隣接する「ミシシッピ歴史博物館(Museum of Mississippi History)」。開館を記念して行われた行事には共和党の同州知事の招待によってトランプ大統領が出席したが、同大統領の出席はジョン・ルイス(John Lewis)下院議員など公民権運動に携わった一部の人々の反発を招いた。

 ベテラン民主党議員で、1月にトランプ氏の大統領就任式も欠席したルイス氏は8日、「(トランプ大統領の)出席と人を傷つける政策は、この公民権博物館で取り上げられている人々に対する侮辱だ」と述べた。ボイコットには他に、ミシシッピ州選出のベニー・トンプソン(Bennie Thompson)下院議員も加わった。

 トランプ氏はあいさつでこうした動きには言及せず、「アフリカ系米国人社会に対する抑圧やむごい行為、不当な仕打ち、奴隷制度の廃止を目指す戦い」を同博物館が記録していると強調。「われわれの国が、あらゆる出自の子どもたちが誰も恐怖を感じることなく、憎悪と無縁で、愛情や機会、希望に恵まれる場所になることを望んでいる」と語った。(c)AFP/Nicholas KAMM