【12月10日 AFP】ノルウェーの首都オスロで10日、2017年のノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)の受賞が決まった国際的なNGO連合体「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」の代表者らが授賞式を前に記者会見し、広島で被爆した女性は非核に向けたICANの活動を「妨害」したとして欧米の核大国を非難した。

 10日夜の授賞式には、ICAN代表者とともに広島と長崎の被爆者も招かれている。だが慣例に反して米英仏の大使は欠席が伝えられている。米英仏は、今年7月の国連(UN)での「核兵器禁止条約」の採択に貢献したICANの受賞に対する不信感を示す形で、代理の外交官を出席させるとしている。

 米英仏の大使が授賞式を欠席することについて、1945年8月6日に広島で13歳の時に被爆し現在はカナダ在住のサーロー節子(Setsuko Thurlow)さん(85)は「特に驚きはない」と言う。オスロで開かれた記者会見でサーローさんは「(米英仏は)私たちの取り組みに対する評判を傷つけようと、様々な手段で妨害してきました」と批判した上で、「こういうことになったのは残念です。でもそれは、私たちが達成してきた成果を彼らが本気で不満に思っているためかもしれません」と語った。

 またICANのベアトリス・フィン(Beatrice Fihn)事務局長は、米国と北朝鮮に対し、緊張を緩和し大量破壊兵器がもたらす「差し迫った脅威」を終結させるよう呼び掛けた。

 記者会見でフィン氏は「いま現在、差し迫った脅威がある」と述べ、「膨大な数の民間人を殺りくする大量破壊兵器の使用を示唆した脅しを止め、外交的な解決に着手して、この脅威を終息させるよう米朝の指導者に強く求める」と訴えた。(c)AFP