【12月10日 AFP】内戦下にあるイエメン首都サヌアで8日夜から9日未明にかけて、イスラム教シーア派(Shiite)反政府武装勢力「フーシ派(Huthi)」系のテレビ局をサウジアラビア主導の連合軍が空爆し、警備員4人が死亡した。同派系メディアと、テレビ局の警備隊長が9日明らかにした。

 フーシ派が運営するニュース局「アルマシラ(Al-Masirah)」は、サウジ連合に対する米国の支援を非難し、「サウジ・米系の敵によるイエメン衛星テレビ局を標的にした空爆で、市民4人が死亡した」と報じた。

 また、自身も負傷したという警備隊長は記者らに対し、「ここは軍の詰め所ではなく、兵器はない。われわれ警備員が使うただの家だ」と述べた。

 サウジ主導の連合軍はこれまでのところ、今回の空爆についてコメントしていない。

 イエメンでは、アリ・アブドラ・サレハ(Ali Abdullah Saleh)前大統領とフーシ派の同盟関係が決裂し、4日に前大統領が同派に殺害されて以降、急速に緊張が高まっている。

 イランの支援を受けるフーシ派は最近、首都サヌアと主要施設の統制を強めており、1週間前にはサレハ氏が率いていた政党「国民全体会議(GPC)」系のテレビ局を掌握。ジャーナリストと職員41人を拘束している。(c)AFP