【12月9日 AFP】北朝鮮は、国連(UN)事務次長による異例の訪朝を受け、同国の核兵器開発をめぐる緊張が高まっているのは米国による「核の脅し」だと非難する一方で、国連との意思疎通を定期的に行うことに同意した。国営メディアが9日、報じた。

 北朝鮮は先月29日、米本土を射程に収めた新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を実施したと発表。そうした中で国連のジェフリー・フェルトマン(Jeffrey Feltman)政務担当事務次長は9日、緊張緩和に向けた5日間の平壌訪問を終えて中国・北京に到着した。

 国連事務次長の訪朝は2010年以来で、北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)によれば、フェルトマン氏は李容浩(リ・ヨンホ、Ri Yong-ho)外相らと会談した他、国連が支援している医療施設を訪れた。

 KCNAは、「今回の会談で、朝鮮半島情勢が現在のような緊迫した状態に至ったのは、DPRK(北朝鮮)に対する米国の敵対的な政策と核の脅しのためだとわが国は主張した」と報道。一方で、北朝鮮は国連と「さまざまなレベルでの訪問を通じて意思疎通を定例化」することで合意したことを明らかにした。

 ただし、報道では金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長との会談については一切言及されていない。(c)AFP