【12月9日 AFP】17クラブW杯(2017 FIFA Club World Cup)でレアル・マドリード(Real Madrid、スペイン)に挑む可能性もある浦和レッドダイヤモンズ(Urawa Red Diamonds)は、そのゴールがチームを高みに導いたラファエル・シルバ(Rafael Silva)を再び頼りにするだろう。

 先月行われたアル・ヒラル(Al Hilal、サウジアラビア)とのAFCチャンピオンズリーグ(AFC Champions League 2017)決勝でシルバは、敵地での第1戦で貴重なアウェーゴールを決めると、第2戦の終了間際には見事な決勝点を決め、レッズは通算2度目の大会制覇を果たした。スター選手がそろう上海上港(Shanghai SIPG、中国)との準決勝でも殊勲のゴールを挙げていたシルバの活躍もあり、レッズはACLで続いていた日本勢の苦戦に終止符を打った。

 シルバはACLに備えて力を蓄えていたかのように、大会10試合の出場で9得点を挙げた。

 日本サッカーについて執筆しているブラジル人ジャーナリスト、チアゴ・ボンテンポ(Tiago Bontempo)氏は「チームに違いをもたらすので、彼は必要不可欠な選手。他の選手に比べてよりダイレクトで、爆発的なFW」とシルバについて語った。

「この数年、浦和は見込みのある多くの選手と契約を結んで、毎年のように本命視されていたが、今年のACL制覇まで主要大会のトロフィーを獲得してこられなかった。ラファエルは欠けていたパズルの最後のピースだった」

 Jリーグ1部(J1)でのシルバは今季25試合の出場で12得点と得点力が影を潜め、レッズはリーグ戦を7位で終えたが、ACLでの得点はチームの勝ち上がりにおいて大きな役割を担い、上海上港のオスカル(Oscar dos Santos Emboaba Junior)やフッキ(Hulk)といったアジアで戦うエリートの同胞を上回った。大会9得点はフッキと並ぶ得点ランク2位タイとなっている。

 ACL決勝前には、シルバのインスタグラム(Instagram)のアカウントに人種差別的なコメントが書き込まれてレッズが正式に抗議するなど、別の理由で見出しを飾る騒動もあった。

 元レッズのエスクデロ・セルヒオ(Sergio Ariel Escudero)氏はメディアに対し、シルバは「レッズのキープレーヤー」と語る。

「今は調子が良く、波に乗っています」

 シルバは、得点の面においては間違いなく最高のシーズンを過ごしている。

 ブラジル・サンパウロ生まれのシルバは、カンピオナート・ブラジレイロ(ブラジル全国選手権)1部のコリチーバ(Coritiba FC)でデビューしたものの出場機会に恵まれず、その後スイスのFCルガーノ(FC Lugano)に移籍したが、ここでも落胆の日々を過ごした。

 その後、アルビレックス新潟(Albirex Niigata)に移籍したものの得点力の安定感が欠けていたシルバは、今年2月にレッズと契約を結んだ。

 とはいえ、現在のシルバはレッズで本領を発揮し、クラブW杯の行われるアラブ首長国連邦(UAE)で注目の選手となるだろう。

「たびたび負傷するかもしれないが、彼が健康体であれば浦和はより高いレベルで戦える」と、ボンテンポ氏はAFPに語る。

 レッズは9日の準々決勝で開催国代表のアルジャジーラSC(Al Jazira Sports Club)と対戦する。4強進出を果たせば13日の準決勝では、クリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)を擁するレアル・マドリードとの対戦が控えている。(c)AFP/Richard CARTER