【12月8日 AFP】サッカー日本代表の元監督フィリップ・トルシエ(Philippe Troussier)氏が、2018年のW杯ロシア大会(2018 World Cup)の組み合わせ抽選結果は日本にとって「良くないニュース」だとし、グループリーグ突破に疑問を投げかけた。

 2002年の日韓大会で日本を決勝トーナメントに導いたトルシエ氏は、グループHの最初の2試合で対戦するコロンビアとセネガルの攻撃力は日本にとって負担が重すぎるとの見解を示した。

 AFPのインタビューに応じたトルシエ氏は、「日本は恐れをなす必要はない」としながらも、「とても均衡のとれたグループで、全4チームが先の舞台に進む夢を抱いている。だが私は日本のチャンスに関しては懐疑的だ」と話した。

「私の意見では日本にとっていい抽選ではなかった。最初の2試合でコロンビア、セネガルと戦うのは良いニュースではない」

 現在ヴァイッド・ハリルホジッチ(Vahid Halilhodzic)監督が指揮を執る日本は、1日の組み合わせ抽選会でポーランドとも同組となった。

 しかしトルシエ氏は、日本の運命はロベルト・レワンドフスキ(Robert Lewandowski)擁するポーランドとの第3戦の前にすでに決まっている可能性があるとしている。

 コートジボワール、ナイジェリア、南アフリカといったアフリカの国々で指揮官を務め、「白い呪術師」と呼ばれた62歳は、「日本の最初の試合がカギだ」と語った。

「コロンビアに勝たなければならないが、それは簡単ではない。いつでも相手を痛めつけることができる選手が4、5人いる。セネガルも同じだ」

■「日本に違いを生み出す選手はいない」

 6大会連続のW杯に臨む日本は、前回の2014年ブラジル大会(2014 World Cup)のグループリーグで1-4の敗戦を喫したコロンビアへのリベンジをもくろんでいる。

「リベンジをモチベーションにする必要があるかどうかは分からない。4年経った二つのチームを比較することはできない。われわれにはヴァイッドが本田(圭佑<Keisuke Honda>)や香川(真司<Shinji Kagawa>)を使うかどうかもうかがい知れない」

「ヴァイッドは欧州の哲学を持った欧州の指導者だ。ディフェンシブな監督で、戦術はカウンターでいくだろう。組織力が日本の強みだが、W杯でそれを通用させるのは難しい」

 ハリルホジッチ監督は前回大会でアルジェリアを決勝トーナメントに導いているが、トルシエ氏はロシアでは創造性の欠如により日本は破綻する可能性があるとしている。

「違いを生み出す選手が必要になるが、日本にはそういった個が存在しない。(クリスティアーノ・)ロナウド(Cristiano Ronaldo)や(リオネル・)メッシ(Lionel Messi)を見てみるといい。コロンビアとセネガルにはそういった選手が多くそろっている。彼らは日本に真の脅威をもたらすだろう」

 また、トルシエ氏はリバプール(Liverpool FC)に所属するサディオ・マネ(Sadio Mane)擁するセネガルは大会のダークホースだと評した。

「彼らはサディオ・マネだけのチームではない」と強調したトルシエ氏は、「セネガルの選手は欧州のトップクラブでプレーしている。彼らには危険な選手が7、8人そろっている。ベンチにもね」

 Jリーグのクラブで監督のキャリアを終えたいと公言しているトルシエ氏は、「日本はW杯で大きな問題に直面する。次のラウンドに進むのは難しいだろう」と日本の行く末に悲観的な考えを示した。(c)AFP/Alastair HIMMER