【12月8日 AFP】中国・北京の人民大会堂(Great Hall of the People)で7日、第1回「南南人権フォーラム(South-South Human Rights Forum)」が開かれた。中国政府がその人権発達モデルをアピールする一方で、人権活動家らは政府による権力乱用を厳しく非難した。

 習近平(Xi Jinping)氏が2012年に国家主席に就任して以降、同国では市民社会への徹底した弾圧が行われている。人権弁護士や著名ブロガーもその対象となり、過去5年間に何百人もの活動家が拘束されてきた。

 今年7月には、民主活動家で2010年にノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)を受賞した劉暁波(Liu Xiaobo)氏が、拘束下に置かれたまま死亡した。同賞受賞者が拘束下で死去したのは、ナチス・ドイツ(Nazi)時代以来。

 とはいえフォーラムの出席者約300人は、中国の「国の独自性に沿った人権の発達過程」に耳を傾けた。王毅(Wang Yi)外相は、「人権の実践において、画一的な手法はない。人権について、誰も他者に教える立場にはない」という見方を示した。

 一方在外のNGO「人権擁護者(CHRD)」は声明で、「この『中国モデル』によりここ数十年で、差別・搾取・権力の乱用からの最低限の保護を犠牲にした異常なまでの急成長にあおられ、無数の人々が取り残されてきた」と指摘。「『中国の成功』の『秘訣』は、抗議を阻止し、不平を抑え込み、刑務所や拘置所をあふれかえらせてきたことにある」と強く非難した。(c)AFP/Becky Davis