【12月9日 AFP】ノーベル賞(Nobel Prize)の歴代受賞者の統計データは、女性が見てうれしいものではない──女性の受賞者の割合は20人に1人だからだ。女性の受賞はゆるやかながら増加する傾向にあるが、今月10日に授賞式を控えた今年のノーベル賞受賞者は昨年に引き続き、全員が男性だ。

 ノーベル医学生理学賞(Nobel Prize in Physiology or Medicine)、物理学賞(Nobel Prize in Physics)、化学賞(Nobel Prize in Chemistry)、文学賞(Nobel Prize in Literature)、経済学賞(Nobel Prize in Economics)の授賞式が行われるスウェーデン、平和賞(Nobel Peace Prize)の授賞式が開かれるノルウェーは、共に女性の権利保護の分野では草分け的な国で、ジェンダー平等を推進する政治を誇りにしている。

 近年は女性の受賞者が増加傾向にあり、第1回開催の1901年~1920年には4人だけだったのが、2001年~2017年には19人の女性が栄誉を手にした。だが、団体受賞を除いたノーベル賞の歴代受賞者896人のうち女性は48人で、全体のわずか5%に過ぎない。

 女性受賞者の割合は、分野によって異なり、最も少ないのは1968年にスウェーデン中央銀行の創立300年を記念して設立された経済学賞だ。とはいえ、女性受賞者が比較的多い文学賞や平和賞でも、受賞者の大半を男性が占めている。

 ダイナマイトを発明したスウェーデン人科学者アルフレド・ノーベル(Alfred Nobel)の遺志で創設された5分野のノーベル賞のうち、最も「女性嫌い」なのは物理学賞と化学賞で、女性受賞者は物理学賞が2人、化学賞は4人にとどまっている。

 ただ奇異なことに、史上唯一、女性でノーベル賞に2度輝いた「キュリー夫人」ことマリー・キュリー(Marie Curie)氏が受賞したのは、物理学賞(1903年)と化学賞(1911年)だ。