【12月8日 AFP】2018年のサッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)で大会組織委員会の委員長を務めるアレクセイ・ソローキン(Alexei Sorokin)氏は7日、五輪から永久追放処分となった同国のビタリー・ムトコ(Vitaly Mutko)副首相が大会に関与することについて、何の影響もないとする認識を示した。

 5日に開かれたIOCの理事会で、ムトコ副首相は国家ぐるみのドーピングスキャンダルに関与したと認定されて五輪から永久追放処分となり、W杯の責任者として大会にかかわることに疑問が投げかけられていた。しかし、ソローキン委員長は、IOCの裁定がW杯に影響を及ぼすことは何もないと強調した。

 スイス・ニヨンで開かれた欧州サッカー連盟(UEFA)の理事会に、メンバーの一人として出席していたソローキン委員長は、AFPの取材に対して、「その問題はサッカーとは無関係だ。ムトコ氏は地元組織委員会の会長だ」と述べた。

「われわれの目標は変わらない。W杯を史上最大の成功に導くことだ。国際サッカー連盟(FIFA)は、この問題にうんざりしている。サッカーとは何の関係もないことであり、われわれは6年間準備してきたことを続けていく」

 IOCの決定を受け、FIFAは5日に声明を発表し、元ロシアスポーツ相のムトコ氏に対する処分はW杯に何の影響もないと主張。ソローキン委員長もまた、世界反ドーピング機関(WADA)が発表した衝撃的な報告書で、ロシア選手が国家ぐるみのドーピングに関与したと指摘されたことについて一蹴している。

 ロシアのサッカー選手がリストに挙がっているWADAの報告書をまとめた独立調査官のリチャード・マクラーレン(Richard McLaren)氏に対し、FIFAが連絡を取っているなか、ソローキン委員長は「わがチームの選手は、フランスで開催された欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)、(W杯)ブラジル大会、そして各クラブの試合に出場するたびに、何度も検査を受けている」とすると、「検査では毎回、陽性反応は一つも出ていない。従ってわれわれはクリーンだ」と述べた。

 ロシアサッカー連合(RFS)の会長でもあるムトコ氏は、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の盟友として知られており、ドーピング疑惑が発覚してダメージを受けながらも、スポーツ相から副首相に昇進したが、自身の側近数人は解雇もしくは辞任に追い込まれた。(c)AFP