【12月8日 AFP】米国オリンピック委員会(USOC)は7日、安全上の理由から2018年平昌冬季五輪の参加を見送る可能性に関して、これまで同国政府と話し合った事実はないと述べた。これに先立ち、国連(UN)のニッキー・ヘイリー(Nikki Haley)米国連大使は、6日に行われた米FOXニュース(Fox News)とのインタビューで、米国が参加するかどうかについては「未解決の問題」とほのめかすような発言をしていた。

 USOCの広報担当者はヘイリー大使のコメントを受けて声明を発表し、平昌五輪に選手団を派遣する計画に変更はないとした上で、「2018年の冬季五輪およびパラリンピックにチームを派遣しない可能性について、委員会内部や政府関係者とはいかなる話し合いを行っていない」と述べた。

 サラ・ハッカビー・サンダース(Sarah Huckabee Sanders)大統領報道官もツイッター(Twitter)で、「韓国で開催される冬季五輪に、米国が参加することを楽しみにしている。米国人の保護はわれわれの最優先事項であり、韓国をはじめほかの同盟国と連携して大会の安全を図っていく」と投稿し、五輪を見送る可能性を否定している。

 ここ数か月で北朝鮮による核やミサイルの脅威が高まり、同国と米国が一触即発の状況に直面しているなか、来年の冬季五輪は朝鮮半島を南北に分断する軍事境界線からわずか80キロメートルに位置する平昌(Pyeongchang)で開催される。

 ヘイリー大使は、韓国への選手団派遣について安全を確信しているか問われると、「それらの点については、これから話し合わなければならない。われわれは、あらゆる予防策を講じて選手たちの安全を確保し、彼らの周辺で起きることのすべてを把握することに努めていく」と回答。さらに、選手たちは参加するのか、あるいは参加は未定なのかについても、「それは未解決の問題だ。そのことについては、まだ何も聞いていない」と述べた。

 同大使はまた、安心して選手やその家族を韓国に派遣できるのか念を押されると、「そのとき韓国で何が起きているか次第だ。注意深く見守っていく必要があり、状況は毎日変わっていく」と話していた。(c)AFP