【12月8日 AFP】ロシアは7日、シリアをイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の支配から解放する作戦の完了を発表した。一方で国連(UN)は、領土上の勝利は政治的解決が伴わなければ不完全だと警鐘を鳴らしている。

 ロシア軍幹部のセルゲイ・ルドスコイ(Sergei Rudskoi)氏は「シリアにはISIL(ISの別称)の支配下にある村や地区は一つもない。シリア領土はこのテロリスト組織の戦闘員から完全に解放された」と発表した。

 だがシリア内戦を監視している在英の非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」は7日、同国東部デリゾール(Deir Ezzor)県のおよそ8%はまだISの支配下にあると発表している。

 またスタファン・デミストゥラ(Staffan de Mistura)国連シリア問題担当特使はスイス・ジュネーブ(Geneva)での記者会見で、ISから領土を奪還しても、その影響力が根絶されたことにはならず、ISが将来違う形で再出現することも防止できないと述べている。(c)AFP/Maria ANTONOVA